1人に対し100人~500人でストレスを与える仕組

この防犯ネットワークの過剰監視による弊害を訴える体験談は、2002年の生活安全条例施行以降ネット上では何十万件とあがっています。ガセネタ、ねつ造記事も多数あります。しかし、ガセ、妄想の類だけで、いきなりこの種の体験談が登場し、かつ膨大な数にふくれあがることは考えにくく、この条例や防犯ネットワークとの関連性が疑われていたところに、登場したのがつかさネットの記事だといえるでしょう。

■やりすぎ防犯パトロール、特定人物を尾行監視 3月19日19時7分配信 ツカサネット新聞
http://megalodon.jp/2009-0403-2216-30/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090319-00000026-tsuka-soci

要は、一人の人間の情報をその街のおおぜいで共有し、みなで監視するのが防犯ネットワークの仕組みなわけです。また監視している側がそれをわからせるふるまいを、あえてすることも特徴です。

しかし、普通の人間は、例えば、1日に5~6人からでも、睨みつけられたり、至近距離からつきまとわれたり、ニヤニヤ見されたりする日が一週間も続けば、精神的にまいってきます。

この仕組みが、1日に対象者にストレスを数回与えていると仮定すると
1ケ月つづいた場合、約150回は相手にパワハラ行為をしていることになります。。
1年監視をつづければ1000回以上、相手に対しつきまとったりにらんだり通行妨害したりなどのパワハラ行為をしていることになります(リレー方式で違う人間がどんどん参加してくるため、結局、対象者は約1000人から嫌がらせ的行為をされることになります)。

人間、一人二人にパワハラされても死にゃしませんが、1000人から1000回されるとさすがにこたえます。 人によって耐性に差はあるでしょうが、小さいストレスが何十回、何百回と続くうちにある日突然ガクっときます。100回で鬱になる人もいれば500回位で急にガクっとなる人もいるでしょう。原因はつもりつもったストレスなのですが、最後のトリガーはほんの小さい嫌がらせだったりする為、因果関係が証明できません(苛めと同じ構図です)。いずれにせよ、不審者登録された人のほとんどが、うつや心身の病気になったり、引きこもりになったり、最悪自殺をえらぶことになるわけです。病気になった数、自死した数はおそらくけっこうな数字でしょう(日本では自殺強要ストーキング、海外ではスローキル(時間をかけた殺人)と呼ばれるほどです)。医療費も増大したことでしょう。

それでもこの問題が放置されてきたのは、防犯をしている側に、やりすぎている意識がおきない仕組だからだと推測します。警備備員にせよ、店員にせよ、郵便局員にせよ、駅ガードマンにせよ、一人一人の行為は小さなものですし、彼らは彼らの持ち場を守る仕事をしているだけという感覚でしょう。民間ボランティアも街を守るために怪しい奴を見張っている正義の行い(にしては陰湿なふるまいもかなり多いのですが)をしていると思っていることだと思います。役割は細分化されており、情報は大ざっぱにしか伝えられていない可能性があります。

防犯ネットワークの全体像をとらえている人間は、ごく一部だと考えます。

ただ、だからといって責任がないわけでもないと思います。
たとえばですが、
・警官が取り調べ中、相手にパワハラ言動をくりかえし、相手がうつ状態になり自殺してしまったら
それは業務上過失致死とされるでしょう。容疑者とは疑いがある段階であり犯罪者ではないので。

防犯という大義名分で、普通の人間を、うたがわしいというだけで不審者とレッテルを貼り、その情報を広範囲に流布し、病気や最悪のケースに追い込んでもいいとは思えません。こっそり監視ならともかく、わざとらしく「監視してますよ」とわかるような行為が多く、かつ、通行妨害やら、通りすがりのツバはきやら中傷やら、防犯とは名ばかりの嫌がらせ行為を防犯ボランティアの一部(とはいえ母体が大きいので相当数)が行っている以上、責任はあるはずです。

すくなくとも、いい加減な情報で、不審者と決めつけ、過剰な監視体制をしいてつけまわしていた防犯ボランティア団体の長(自治会主導であれば自治会の長)には、管理責任というものがあるでしょう。 また、通報者が虚偽・誤解による通報をしていた場合はどうなるのか?その人間はどこまで通報者保護で守られてしまうのか。要確認です。